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伏流する物語―田山花袋の小説を読む

伏流する物語
著者 岸 規子 
本体価格 4,500円+税
ページ数/判型 288/ A5判上製
ISBN/分類コード 978-4-907282-95-0 C3095
発行日 2024年5月31日
本の紹介

田山花袋、変奏されるテーマ、伏流する物語

 田山花袋とは何者であったのか?一つのテーマに収斂せず、複数のテーマが、繰り返し顕在化する。伏流する物語は通奏低音として響き渡っていく。

  花袋文学の軌跡。花袋文学の最大のテーマは男女の恋愛である。ヒロイン像は時代とともに変化するが、彼女らは恋愛の純粋性を主張し、新たな物語の地平を切り開く。そして親子・兄弟の物語は時に愛の物語を圧縮し、変形させていく…。新しい視点から、花袋の小説群を読み替えた一作。

目次内容 はじめに

Ⅰ ロマンティシズムから自然主義へ
田山花袋―「文学」を巡る葛藤
『断流』とその周辺
『重右衛門の最後』―「語り」の空白が生み出すもの
『重右衛門の最後』―葛藤する作品世界

Ⅱ 自然主義文学の時代
『蒲団』再読―横山芳子を中心に
『田舎教師』とその時代
明治三十年代の「女中」像―『家婢』『胡瓜』を中心に
『ある朝』―『蒲団』との比較を通して
『一兵卒の銃殺』―主人公はなぜ死なねばならなかったのか

Ⅲ 大正ロマンと田山花袋
『渦』―不幸な男女の物語
『残る花』―お粂を取り巻くもの
『鈴子の恋』―匿名化する男達
『弓子』―ヒロインの死をめぐって
『曠野の恋』―「新しい女」と「満州」と
印旛沼を巡る物語―『水あほひ』を中心に

Ⅳ 歴史小説のヒロインたち
『通盛の妻』―理想化された男女の愛
闇に消えた「孤舟」の運命―静御前の悲劇を中心に

初出一覧
あとがき
人名索引


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