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神経症と文学―自分という不自由―

神経症と文学―自分という不自由―
編者 大本泉・後藤康二・二木文明・北條博史・千葉正昭
本体価格 2,200円
ページ数/判型 320/A5判並製
ISBN/分類コード 978-4-907282-12-7 C1095
本の紹介 文学に現われた広い意味での神経症的症状を、文学研究者・医学・薬学研究者を交えて検討する。
目次内容 はじめに
 神経症あるいはパラノイア
夏目漱石『道 草』─「神経衰弱」そして〈孤独〉からの超克─大本 泉
主人公のパラノイア的症状─吉條久友
 恐怖症
谷崎潤一郎『青春物語』の恐怖症─高橋広満
不安、制度、マゾヒズム─二木文明
 ヒステリー
宇野浩二『蔵の中』のヒステリー症状─千葉正昭
感情生活への医学的註釈─吉條久友
 神経衰弱
岡本かの子のモダニズム的想像力─『老主の一時期』から『女体開顕』まで─和田茂俊
『老主の一時期』─進まない時間─井藤佳恵
 頭部外傷後遺症と心因反応
井伏鱒二『遙拝隊長』─終わらない「帝国」の「戦争」を生きる─根岸一成
頭部外傷と妄想形成─二木文明
 自閉症スペクトラム
古井由吉『杳 子』─境域の杳子─藤木直実
杳子と自閉症─二木文明
 アルツハイマー型認知症
有吉佐和子『恍惚の人』─痴呆症から認知症へ─大和田 茂
認知症の家族の対象喪失と悲哀について─舘下一誠
 対人恐怖と吃音
井上ひさし『花石物語』─吃音症という鎧─五十嵐伸治
青春期と対人恐怖─二木文明
 ナルコレプシー
色川武大『狂人日記』─伊狩 弘
『狂人日記』─果たしてナルコレプシーか─北條博史
 パニック障害
南木佳士『阿弥陀堂だより』のパニック障害─千葉幸一郎
『阿弥陀堂だより』─症状・薬・展望─北條博史
 神経症
奥田英朗『イン・ザ・プール』の大衆性─神経病文学における史的位置─石川 肇
物語から精神医学を考える─舘下一誠
 解離性障害
田口ランディ『コンセント』─光なき時代の苦悶─岡野幸江
解離概念をめぐって─二木文明
 心的外傷、エディプス・コンプレックス
村上春樹『海辺のカフカ』─今井清人
心的外傷と受動性─二木文明
 強迫神経症
車谷長吉『飆 風』─むき出しの「私」をえぐり出す強靭な意志─佐野正人
強 迫─生と死─二木文明
 がんと恐怖症
村田喜代子『光 線』─後藤康二
がん宣告と心理─人称態から見る死と心理過程─石出信正
 
用語解説 恐怖症/幻覚/うつとうつ病/パニック障害─河野亮玄
パラノイア/心因反応/ナルコレプシー/解離性障害/PTSD─黒澤佑司
まとめ レジリアンスの可能性─二木文明
参考文献 上野貴代子
あとがき 千葉正昭
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