20世紀日本文学の「神話」─中国から見る私小説
著者・訳者 |
魏大海・金子わこ |
本体価格 |
2,800円 |
ページ数/判型 |
294/4/6判上製 |
ISBN/分類コード |
978-4-907846-75-6 C0095 |
本の紹介 |
中国人から見る初の日本私小説
現代中国人によって書き始められた私小説に、中国の日本文学研究者は、どう対応しているかを翻訳する。 |
本の概要 |
目 次
日本語版への序
序 文
第一章 19世紀末の文学背景と情況
一、 |
明治前後の社会文化的背景 |
二、 |
翻訳文学と政治小説 |
三、 |
『小説神髄』と『当世書生気質』 |
四、 |
二葉亭四迷の『小説総論』と『浮雲』 |
五、 |
硯友社と尾崎紅葉 |
六、 |
幸田露伴と日本の浪漫主義文学 |
七、 |
森?外と夏目漱石 |
第二章 自然主義文学と「私小説」の成立
一、 |
フランス自然主義文学からの影響 |
二、 |
日本自然主義文学の基本的状況 |
三、 |
田山花袋の理論主張 |
四、 |
島崎藤村『破戒』の基本的定義づけ |
五、 |
「蒲団」――日本の私小説の濫觴 |
六、 |
田山花袋のその他の作品 |
七、 |
その他の自然主義を代表する作家 |
第三章 初期の様々な私小説論
一、 |
久米正雄の「心境」理論 |
二、 |
多様化論説および観念の対立 |
三、 |
宇野浩二の私小説論 |
四、 |
徳田秋声などによる心境小説論 |
五、 |
横光利一の「純粋小説」論 |
六、 |
小林秀雄の『私小説論』 |
七、 |
中村光夫の理論的詳述 |
八、 |
尾崎士郎などの論点について |
第四章 代表的な私小説作家
一、 |
「天生の自然派」――徳田秋声 |
二、 |
広津和郎とその「神経病時代」 |
三、 |
宇野浩二の小説風景 |
四、 |
葛西善蔵と私小説の前近代性 |
五、 |
嘉村礒多の小説の特徴と文学界の評価 |
六、 |
短編小説の神様――志賀直哉 |
七、 |
林芙美子と『放浪記』 |
八、 |
太宰治――「破滅」及びその文体の特殊性 |
九、 |
「第三の新人」およびその「日常性」 |
十、 |
三浦哲郎「忍ぶ川」の抒情的文体 |
十一、 |
「私小説」と中国の現代文学 |
第五章 多面的見解および定義づけの試み
一、 |
川端康成と三島由紀夫との相関性 |
二、 |
大江健三郎の対立性およびその私小説論 |
三、 |
勝山功の私小説論史 |
四、 |
第二次世界大戦以後の私小説定義と評論 |
五、 |
イルメラ・日地谷の私小説定義 |
六、 |
様式の衰退と「自我」の問題 |
七、 |
『語られた自己』――鈴木登美の私小説論 |
八、 |
鈴木貞美の批判的私小説論 |
九、 |
「私」概念の日・中比較による視点の変換 |
結 語
主要参考書籍目録
解説 |
『私小説――20世紀日本文学の「神話」』に寄せて(勝又 浩) |
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